2014年2月7日金曜日

公開に至るまでとNGOテチャ

                             高草木 博(原水爆禁止日本協議会代表理事)
 ドキュメンタリーの主人公になっているミーリャ・ガビロワが最初に原水爆禁止世界大会に来たのは2001年です。それまで私自身、ソ連核実験場があるカザフスタンのセミパラチンスクやロシアのアルタイに何度も出入りし、その際、チェリャビンスクの秘密都市や「マヤーク」の核事故のことは聞いていたので、日本で紹介したいと思い、代表を招請しました。

 当時ミーリャが代表していたのは「アイグル」(夕顔)というNGOで、カザフの「ネバダ・セミパラチンスク運動」と同様、1989年に立ち上げたとのことです。ミーリャが議長でした。
 ソ連の最初の原爆実験(1949年8月29日、セミパラチンスク)に向けて、1948年にチェリャビンスク州に秘密都市(チェリャビンスク65とか言ったはず)をつくり、そこの核施設「マヤーク」は、ウラン濃縮から使用済み燃料再処理・プルトニウム抽出までおこなう、文字通りコンビナートとして構想されたもののようです。

 その後、原水爆禁止世界大会には、ミーリャを中心にほぼ毎年代表を迎え、2012年も、ミーリャの推薦で本作品の製作者オレグ・ボドロフ氏を迎えました。私の方も、一度はチェリャビンスクに医師や代表団を送りたいと思っていたこともあり、意気投合し、ボドロフ氏が「見て欲しい」といってDVDを下さったものです。
 
 日本語版をというのは、私が思いついたことで、すぐに訳し始めたのですが、仕事が重なり中断。昨秋、改めて続きの訳を終え、有原誠治さんに声をかけて日本語字幕版の制作となった次第です。
 ボドロフ氏には、日本語版にして普及することはもちろん相談し、ご了解をいただきました。これまで、ロシア語の他に、英語、ドイツ語、日本語に翻訳され、カザフ語への翻訳が進行中だそうです。

 ミーリヤの「アイグル」は、現在「NGOテチャ」として活動していることが、作品の中で紹介されています。その活動についてミーリヤに問い合わせたところ、次のようなお知らせがありました。

NGOテチャについて ミーリヤ・ガビロワ
「テチャ」は1995年にNGOとして登録しました。
目的は以下の通りです。①被ばくの危険について人びとを教育すること、②被災地の環境回復のためのプロジェクトを推進すること、③環境に優しく浪費のない技術の促進、④環境上の放射線の危険を減らすための国際的つながりの拡大と国家間の平和と友好の強化、⑤環境分野での人々の権利と自由の実現と保護、⑥環境上の危険や放射線の危険を削減するためのプロジェクトや提案の支援。

                                                   以上です。




0 件のコメント:

コメントを投稿